歯科における先進医療(4)

歯科における、先進医療は現在5個あります。

まず、一般の医療の水準を超えた最新の先進技術が指定され、その費用が保険がで、まわりの治療が保険を利用出来る制度です。(治療出来る施設は限られます)

これを通じて、広く一般に技術が獲得・普及したら、全面的に保険導入となります。

歯科では、
1)X線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた歯根端切除手術
2)歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法
3)歯科用CAD・CAMシステムを用いたハイブリッドレジンによる歯冠補綴
4)有床義歯補綴治療における総合的咬合・咀嚼機能検査
5)金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療

最近の情勢として、3)と5)が、歯科で早く導入されるかも知れません。

今回は4)についてのお話。

適応症:咀嚼機能の回復のために有床義歯補綴が必要な歯の欠損

技術の概要:
有床義歯(略)において、顎運動検査及び咀嚼能率に係る検査を行い、咬合状態及び咀嚼機能の状態を総合的に評価し、咬合の不正や咬合干渉の有無を把握し、的確な有床義歯の調整を行う。
顎運動検査では、(略)歯科用下顎運動測定器を用いて咀嚼運動を自動解析して得られた運動経路パターンにおける咬合不正や咬合干渉を示す異常パターンの有無や下顎運動の安定性から、咬合調整の必要性を判断する。
有床義歯に関する咀嚼能率検査では、グミゼリーを片側咀嚼させた後のグルコース濃度をグルコース測定機器で測定し、顎運動の左右の均衡状態等を含め有床義歯による咀嚼機能の改善状況を把握する。

文章にすると難しいですね!
簡単に言うと”下顎運動測定器(キネジオグラフ)”を用いて、異常があれば咬合調整して”咀嚼能率検査(グルコース濃度測定)”から、改善結果を判定する!

実施機関:
東北大学病院 宮城県仙台市
明海大学歯学部付属明海大学病院 埼玉県坂戸市
日本歯科大学歯学部附属病院 東京都千代田区
新潟大学医歯学総合病院 新潟県新潟市
大阪歯科大学附属病院 大阪府大阪市

4)は一般臨床で利用している歯科医院は少ないと思います。
どちらかというと、研究機関向けですね!
マッキーも昔はキネジオを使ったことがありますが、保険診療ではとても仕事効率が悪い検査器ですね・・・。
「咀嚼能率検査」は、グミゼリーを左右いずれか片側で咀嚼させた後、グルコース濃度を測定し、咀嚼機能の改善状況を把握します。
二つあわせて、先進医療??です。

写真は大阪歯科大学より引用
咀嚼運動の分析による下顎運動検査・グミゼリー咀嚼時のグルコースの溶出量の分析による咀嚼能力検査